援デリ

2020年12月10日

どうにかこの状況から脱出できないものか、僕はその1時間ずっと逡巡していた。
僕の前にはスゲーブスがいる。ガンダムハンマーを顔面に食らったようなスゲーブスだ。
体重はおそらく30キロ台だろう。スリムと言うより欠食児童のような痩せぎすだ。一応全裸になっているが、おっぱいらしきものもなくアバラが動力パイプのように浮き出ている。100キロオーバーのデブスも困るのだが、まだおっぱいがあるだけマシだ。だが、痩せぎすにはそれがない。だいたい、そんな脂肪の無い小さい尻を抱くことができるのか?
まあ、僕もエロかった。出会い系サイトで「抱いてくれる人募集うんたらかんたら」と言う書き込みにつられて、見事にマッチングされた時は飛び上がらんばかりに喜んだものだ。ただ、お金の話が出てきたので「ああ、援デリなんだな」とは思った。けれども、自分がちょっと最近枯渇気味だったこともあって、素人だったら最高だけどまあ援デリでもいいかな、と言う期待しないノリで会ったのである。
その結果がスゲーブスだった。援デリは普通のデリヘルでは稼げない女性が回される・・・なんて聞いたことがあるが、何だか一般生活にも支障があるんじゃ?と言う女性だった。少なくともプロフ写真は詐欺だった。
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「話が違う、帰れブス!」と突き放すのは簡単だった。が、こんなスゲーブスが援デリに身を落とさなければならない事情その他をだらだらと考えていたら、いつの間にかホテルにチェックインしていた。
そして、僕の前には全裸になったスゲーブスがいる。抱くのか?いや、抱けるのか?忍者のように忍び寄ってくるスゲーブスを前に僕は言葉を発することさえ忘れていて、ただ茫然としていた。別にお金はどうでもいい。このスゲーブスを抱くことは男性としてのプライドに対して終了の鐘を鳴らすようなものではないか。できれば、この状況から脱出したい。しかし、僕は体の自由を奪われたようにその場から動けなかった。
結局、僕はスゲーブスの手コキにヌカれて、30分もかからずにプレイを終えた。次の仕事があるのかさっさと帰ってしまった彼女に何の未練もなく、僕はホテルの部屋にたった一人で空を見上げていた。スゲーブサイクの相手はスゲーブスがお似合いなのかもしれないな、と僕は屁をこいた。
割り切りの相場
援デリ

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